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鴨川にもサケを呼ぶ会
魚が泳ぎ親しみと潤いのある川
鴨川は、1985年ごろには、ごみが捨てられ、生活雑排水の垂れ流しで県内のワースト3に入るほど汚れた川でした。そこで魚が泳ぎ、親しみと潤いのある川にするために、沿線付近に住む人達が自然発生的に会を立ち上げ、子供たちが川遊びを楽しみ、サケを放流して戻ってくるような川に戻そうと、活動を始めた結果、現在では、サケが帰ってくる清流を取り戻しています。
川の清掃は2007年までは、毎月第3日曜日に会員及び児童も参加して、上流から河口までの約1kmの区間を清掃し、サケの遡上を邪魔する水草(
サケは、市内の小学校13校に卵から稚魚になるまで飼育をしてもらい、放流しています。年によっては7月のクリーン清掃の後にヤマメ等も放流しています。
近年、鴨川のゴミの量が相当減り、川沿いを散歩される方が多く見受けられます。そこで将来にわたり、潤いとやすらぎを味わってもらう目的で2006年から川沿いの歩道のある場所にエドヒガンザクラを植栽しています。また、新たに鴨川の歴史等を記載した看板等を設置し、地域での環境保全活動に取り組んでいます。
これまでの一連の活動が全国的にも高く評価され、1992年の「環境庁水質保全局長表彰」に始まり、2010年の「富山県ふるさと教育とやま賞」まで17回もの賞を受賞しています。
実践ポイント
鴨川の清掃及び調査を行っていることにより、子供たちの参加意識や責任感が醸成され、非行も激減しました。
サケ・ヤマメの放流活動(市内13小学校で、サケ卵から稚魚までの観察飼育、放流)を通して、児童がきれいな川、海の環境を考えるようになりました。
県と市の支援・協力により間伐材を利用した安全柵やプランターづくりと花の苗の植え付けをすることが出来ました。
鴨川上流には農業用水を正確に一定の割合で配分する円筒分水槽があります。先人の知恵により造成された施設を見学することは環境教育を学ぶ上では子供達には良いお手本であると思います。
今後の展開
年々温暖化が進むとサケが戻らなくなってくるのではないかと心配しています。(さけの回帰は海水の温度が20℃以下でないと遡上してこない。)
鴨川の源流である片貝川上流部に位置する毛勝山三山の万年雪の観測については、今後も継続観測をしていきたいと思っています。
当協会を継続するためには、会員の高齢化の状況を打破し、若い世代に引き継ぐことが大事である。そのためには、多くの若い世代の加入を積極的に呼びかけていきたい。
取り組み効果と評価
1992年 環境庁水質保全局長表彰
1993年 富山県河川協会長表彰
1993年 北日本新聞地域社会賞受賞
1994年 空き缶処理対策協会受賞
1995年 新川経済倶楽部地域社会賞受賞
1996年 北陸地区冶水大会表彰
1997年 とやま水・文化の財団・とやま環境賞受賞
1997年 県土美化推進協議会・環境保全賞受賞
1998年 富山県功労者団体表彰賞受賞
1999年 日本河川功労賞受賞
1999年 地域づくり団体自治大臣賞受賞
2000年 魚津市厚生功労表彰受賞
2003年 コカコーラ環境賞受賞
2007年 富山県善意銀行より表彰
2007年 第17回冨山県ふるさとづくり賞受賞
2009年 環境大臣賞受賞
2010年 富山県ふるさと教育とやま賞受賞