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富山県立南砺福野高校農業クラブ
伝統県立高校が取り組む 「みどりの学校づくり」
砺波地区は「カイニョ」と呼ばれる屋敷林に代表されるような人間と自然との共生が伝統的に行われてきた地域です。
南砺福野高校農業環境科では、「みどりの学校づくり」を通じた環境教育を行っています。校舎壁面を緑化して、夏の日差しを遮り、室内の暑さを和らげることで、節電効果などが期待できる「みどりのカーテン」の実施、研究を行っています。
研究活動としては、「第4回富山国際大学国際交流シンポジウム」「富山エコアクトグランプリ」などで研究発表を行い、学校のPRと同時に「みどりのカーテン」の取組を地域に広めたいと考えています。
また、取組のPRにも力をいれており、各報道機関が取材に訪れています。
同校では壁面緑化の研究の成果を活かし、試験的にアサガオによる壁面緑化を高岡大和で実施しています。
今年は東日本大震災の影響で節電への取り組みが全国的にも広がっていることから、設置場所を店内から店外に変更し、設置スペースも1.5倍に拡大して取組むことにしています。
実践ポイント
ノアサガオは通常のアサガオよりも成長が早く、定植後90日間で高さ6メートルまで伸長し、緑のカーテンを形成しました。
また、葉も大きく、みどりのカーテンの効果が高いと考えられます。しかし、9月上旬には成長が低下し、葉が黄変しました。これは、プランターにより根域が制限されたためだと考えられます。現在は、プランターではなく地植えもに取り組んでいます。
今後の展開
地域の公共施設である、市役所、駅、老人福祉施設等でも壁面緑化を行い、より多くの方の環境意識を高めたいと考えています。
また、地元の保育所や小学校の児童を招待し、みどりのカーテンを体験してもらうことで、環境への興味関心を高めていきたいと思います。
さらに、「みどりの学校づくり」の一環として、壁面緑化活動だけでなく、「立体花壇」や「ビオトープ」を作り、学校敷地内全体で「みどりの回廊」を作っていきたいと思います。また、活動を通して、植物の力で環境を変えていきたいと考えています。
取り組み効果と評価
・2009年 富山エコアクトグランプリ2009 優良賞
・2009年 第4回富山国際大学交流シンポジウム出展
・2010年 日本学校農業クラブ富山県大会 プロジェクト発表会 区分「環境」最優秀賞
・2010年 日本学校農業クラブ北信越ブロック大会 プロジェクト発表会 区分「環境」優秀賞
・富山エコアクト・グランプリ2010 エコアクト賞
・北日本新聞、富山新聞、KNBTV、チューリップTV等での報道
【地域の方の感想】
・高岡大和での壁面緑化事業への協力の際には、「来店するたびに大きくなるアサガオを見るのが楽しみだよ。」「休憩しながらアサガオを見られるので涼しい気持ちになるねえ。」と声をかけていただいた。
【生徒の感想】
・大規模な壁面緑化を行うのは初めてであり、うまく栽培できるか不安もあったが、順調に生育し、壁面緑化を行うことができた。壁面緑化区の温度や照度を調査した結果、対象区よりも温度が低下することが確認できた。実際に自分たちも緑のカーテン体験してみたが、日なたと比べてとても涼しいことがわかり、壁面緑化の効果を実感することができた。
私たちは先輩方が行ってきた研究テーマを引き継いで行っているが、後輩たちには、より効率の良い栽培方法を確立するために研究を引き継いでいってほしい。