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株式会社かんでんエルファーム
未利用の天然木材資源「流木」を焼却処理せず 地域で有効活用する「地消地産」の取り組み
大雨や台風、雪崩により倒木が河川に流出し、ダムに大量の流木が漂着します。
その流木は、安全な未利用の天然木材資源ですが、一般廃棄物に該当しているため、適正に処理をしなければなりません。
これまでは流木の掻き揚げ後に焼却処理が行われていましたが、ダム流木専門の処理会社「かんでんエルファーム」では流木を地域資源として有効活用する方法をとっています。
黒部ダムをはじめ29のダムで流木の掻き揚げや収集を行った後、同社の再生工場に運搬し、おが粉・草葉チップといった資源に加工しています。つまり、地域で廃棄物を消して地域で新たな材料を生み出す「地消地産」といった取り組みを行っているのです。
「地消地産」から、地域の匠の技や風土、資源を最大限に活用した「地産地消」の取り組みへ
流木処理の取り組みは、「地消地産」で終わりません。おが粉は飛騨牛の敷き料として、落草チップと使用済みおが粉は堆肥として、また、草葉チップの一部はバイオマス燃料(再生可能エネルギー)としても活用されています。
さらに、黒部ダムに漂着する貴重な流木を活かし、飛騨高山の木工職人の技によってブックエンドなどのステーショナリーなどに製品化しています。
それらを自然と人の調和を願うブランド「クロベのキセキ」として販売するとともに、その売り上げの一部を流域内で森づくりを行うNPOを助成する活動も行っています。
つまり、地域の匠の技や資源、風土などを最大限に有効活用することで、地域で生産し地域で消費する「地産地消」を行っているのです。
バイオリージョン手法をビジネスモデルに組み込んだ「かんでんエルファーム構想」
ダム流木再生利用技術と地域の匠の技などによる、「地消地産」「地産地消」といった二重の資源循環型ビジネスモデルを構築した同社。このビジネスモデルは「かんでんエルファーム構想」といい、「バイオリージョン手法」を用いているところが最大の特徴です。
例えば、流木を堆肥にすることや、匠の技を持つ職人と共同で木工製品を生み出すこと、流木の分別をシルバー人材センターで行うこともバイオリージョン。
その意味は、地域の資源・風土・微生物・技術・地形をビジネスモデルに組み込むことで、地域を活性化させるとともに事業を成り立たせることを指します。このビジネスモデルを参考にするため、県内外から多くの方々が工場見学に訪れています。
実践ポイント
ダムの流域の文化や技術、風土などを調査し、流木をうまく有効活用できるか見極めることが重要。同社の取り組みは、流域にチューリップ栽培や木工などの文化や技が根付いているからこそ、実現できることでもあります。
今後の展開
未利用天然木材資源である流木を地域内で再生利用することで、無限の資源循環に取り組んでいるところが、同社の大きな特徴です。この取り組みを長く継続し続けることで、資源循環型社会の構築と、持続可能で経済的・社会的に自立した地域社会の実現を目指しています。
取り組み効果と評価
見学等受入れ情報
月曜~金曜(祝日を除く)の10時~15時まで
1ヶ月前までの事前電話予約要
問合せ先:076-492-2345 富山事務所 小林
(ただし個人および私的団体の見学は除く)