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中越パルプ工業株式会社
美しい竹林を取り戻すため 竹林整備・回収・チップ化によって国産竹を有効活用
放置された竹は周囲の里山に拡大し、生物多様性を低下させる恐れがあることから、放置竹林の存在は危惧されてきました。竹林の多い鹿児島県に工場を持つ「中越パルプ工業」では、竹材の有効利用が竹林の整備につながるとの考えから、1998年から竹チップを製紙原料として利用し、国産竹100%の紙「竹紙」を製品化。2009年から製造販売を開始しました。
高岡工場では、鹿児島県での活動に合わせて同年から県内の竹林整備、竹材の回収、チップ化を実施し、国産竹の有効利用に努めています。竹林整備では、富山県主導で設立されたボランティア団体「とやまの竹資源ネットワーク」とともに毎回約30名の社員が参加して活動しています。
里山と生物と人の心を健やかに育む寄付金付き間伐材用紙「里山物語」
今、里山の多くが荒廃の危機にさらされています。国産間伐材の有効活用に取り組んできた同社では、証明書付き間伐材を購入・チップ化し、間伐材用紙「里山物語」を開発し2009年から販売しています。
さらに、「里山物語」の価格に寄付金を付加し、売上の一部で協業するNPO法人を通じて里山再生・保全をおこなう団体の活動を支援してきました。
“間伐材を利用し、寄付金にて里山保全活動を支援する”という二重の貢献活動をおこなっています。「里山物語」は、里山と生物を育むと共に、人の心も繋いでいます。
2011年には寄付金が一定額に達したことから、寄付金運用第1号として日本初の子供のホスピスにピザ窯を贈呈。第2号では、「赤目の森作業所」にペレット乾燥室の資材購入費を寄付しました。
竹林整備活動や竹資源を利用したイベント開催を支援する「かぐやの竹利用応援事業」を実施
2009年5月の「とやまの竹資源ネットワーク」の設立を機に、同年10月24日から「かぐやの竹舟号(回収車)」による竹材回収活動をスタートしました。
さらに、森林ボランティアや地域住民による竹林整備活動や、竹資源を利用したイベント開催への支援体制を構築するため、2010年7月28日に「かぐやの竹利用応援事業」を立ち上げました。
9月18日に立山町で行われた「とやまの森づくりボランティアの集い」では、同社で購入したチッパー機を富山県へ贈呈しました。
このチッパー機は県から森林ボランティア団体に無償で貸し出されています。現在も、「とやまの竹資源ネットワーク」に参画するボランティアの人々とともに、県内各地で竹材回収活動を行っています。
実践ポイント
美しい竹林や健やかな里山を取り戻すには、長い時間を要します。竹林整備・回収・チップ化によって国産竹を有効活用する活動は、10年以上にわたって長く継続していることが大きなポイントです。
今後の展開
日本の森林や里山の再生を目指す同社では、国産竹の有効活用をはじめ、「里山物語」や「かぐやの竹利用応援事業」など、これからも本業を通じた環境保全活動を継続していきます。
取り組み効果と評価
○2010年6月「第1回いきものにぎわい企業活動コンテスト」審査委員特別賞受賞。
○同年12月、2010年度「木づかい運動」農林水産大臣感謝状(国産材利用推進部門)受賞。
○同年11月、CO2CO2(コツコツ)と減らすかごしまアクションコンテスト「南日本新聞社賞」準優勝受賞。