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富山湾海岸をきれいにする活動の会
~いま、なぜ富山湾海岸をきれいにする活動か~美しい富山湾は県民の誇り
富山湾は2014年10月に「世界で最も美しい湾クラブ」に正式加盟し、昨年10月には富山県で日本初の世界総会が開催されました。
6年前自立自前をモットーに富山湾海岸をきれいにする活動としてグループを結成、月1回の清掃で拾ったゴミの量は年平均1600kg、清掃に関わった参加人数は延べ3300人に達しました。
結成時の、非効率だが機動的、自主的な独自の美化、保全活動が地域や各種団体との連携・合同実施により、ゴミ回収の効率化を上げ、また目的を共有するイベント等のコラボレーションで活動の輪を広げてきました。
ただひたすら海岸をきれいにするため、この6年継続する中で美化活動を通じていろいろなことが見えてきました。本来人間の生活を便利に豊かにしてきたプラスチック製品、それが海辺のプラごみ、マイクロプラスチック化して、観光や漁業にも影響し始め、更に生物や地球規模の海洋汚染に進んできています。海に対するこれ以上の負荷を抑えるためプラスチックに代わる新素材や海水で溶ける技術の開発も進められていますが、まずは人間一人ひとりがモラル向上と環境にやさしいライフスタイルの確立、3Rの意識徹底が真に求められていると思います。
あらためて ―約147kmの海岸線をもつ富山湾をなぜきれいにするのか― 世界で最も美しい海(湾)として世界が認めた宝物である富山湾を後世に引き継いでいくためにも、県民一人ひとりが豊かな海を育む環境保全の大切さを理解することが重要です。そして、県民の一人として自らが身近にできる活動として海岸(河川)清掃に励むこと、同時に行政(機関)や地域団体と連携し活動の普及推進をはかることを僭越ながら活動目標とし、モチベーションとしています。
実践ポイント
富山湾沿岸は夏季海水浴シーズンを除き、四季を通じて海越しの立山連峰の景観に代表される、世界で最も美しい富山湾が海ゴミにより海域の美観を損ねていることが多い。
6年間の海岸の実態と経験則から、効果的な回収は、冬季を越えた3月、夏季を過ぎ台風シーズンと重なる9月~10月、県が従来から進めている6月~8月に集中して回収作業を進める計画、施策が効果的と考えられる。
通年を通してきれいな海岸の維持には(台風時の出水や河川の増水により漂着物が増えることもあるが)各種団体のボランティアの海岸清掃をこれらの時期に集中させる行政のイニシアチブによるキャンペーンや指導(気運醸成)が重要だ。
今後の展開
行動-学習-実践を通し、海岸漂着物の現状実態を県民各位に広く周知しご理解をいただくため、知り得た知見を開示共有しながらプラスチックごみによる汚染低減のために、今、市民一人ひとりが自らに出来ることとして、レジ袋(マイバッグ持参)、ペットボトル飲料(マイボトル)、ストロー、使い捨て弁当等の使用を極力避ける、断るなど、環境にやさしいライフスタイルやモラル向上により(ゴミを拾う→ゴミを落とさない、捨てない→ゴミを持ち帰る)自然環境に対するひとつの文化となるよう努めるものです。
海岸漂着物の処理対策をぜひ多くの人の協力と地域団体、行政(機関)との連携で「世界で最も美しい富山湾」を維持することに努めます。
取り組み効果と評価
6年間の活動で各種団体との連携・合同実施、また目的を共有するイベント等のコラボレーションで活動の場を広げてきました。もともと終点のない活動ゆえにモチベーションの高い元気な高齢者中心のメンバーで進めてきましたが、高齢化による怪我、病気等の問題もはらんでいます。メンバーの意見をもとに、無理のない活動を進めてまいります。
令和元年度 「第24回とやま環境賞」受賞